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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 7/25号
2006/7/11更新
禁煙するとスコアがよくなる!?
値上げを機会にタバコとゴルフの関係を探る

 7月1日からタバコの値段が上がった。増税のため日本たばこ産業(JT)は116銘柄で1箱あたり10円から30円値上げした。JTによると05年の成人男性の喫煙率は45.8パーセント。すでに30パーセント台にまで低下している欧米諸国とはかなりの開きがある。小売店はまとめ買いなどの駆け込み需要を見込んで、カートン単位での販売を強化するところも、また転売目的か大量に盗まれところもあった。世の中は禁煙ムード。これを機に禁煙を始めようとする向きもあるかもしれない。健康によくないことは、いまや常識だが、そこでゴルフとタバコの関係について改めて考えてみた。

 阪神タイガースの金本知憲選手は、今年4月、米大リーグのカール・リプケンと肩を並べる903試合連続フルイニング出場を果たした。

 31歳から足掛け8年での偉業達成だが、この間酒量も減らさず、ヘビースモーカーでもありながら「無理な節制はしない」と禁煙もせずにきたという。

 日々この世界記録を更新中だが、検査で血管年齢が23歳とも測定された。厳しいトレーニングを行い適切な食事を守っているとはいえ、喫煙族の耳目をそばだてさせた。

 一方、ゴルフ場では、喫煙族が増加傾向にあるともいわれる。喫煙規制が高まり、公共の場所でタバコが吸えなくなったせいか、比較的緩やかなゴルフ場でうっぷんを晴らしているという話もあるが、ゴルファーに喫煙者は多い。なぜタバコがやめられないのか。

 日本大学医学部の大井田隆教授は、次のように分析する。

「ゴルフは経済的に余裕がないとなかなかできないが、社長族といわれる人たちは、勝気で頑張り屋で努力家が多い。また勝負好きという気質も手伝ってストレスもたまりやすい。それだけに興奮剤としてのニコチンを体内に入れると、スカッとするためやめられない」

「ニコチン作用は、快楽を与え幸福感をも与えてくれるが、もちろん中毒症状であることに変わりはない」

 タバコをやめられないのは、意志が弱いとか決断力に欠けるとかいった問題ではなく、明らかに病気と指摘する。

 実際、ニコチンは自律神経を刺激し、心拍数を最大40パーセント増加させる。また、心肺機能を低下させるので体内の酸素運搬能力は10パーセントも落ち、体が酸素不足を起こすなど、確実に運動能力は低下する。 

 ゴルフはメンタルなスポーツといわれる。夏の暑い日など、緊張しながらプレーするのは心臓にかなりの負担をかけるし、疲労もかさむ。微妙なタッチが要求されるパッティングも相当の緊張が強いられる。それだけに、喫煙はパッティングに悪影響を及ぼすともいわれる。

 以前「禁煙宣言」を出した丸山茂樹だが、最近米ツアーで好成績を残せなくなったのは、またタバコを吸い始め微妙なパッティングに狂いが生じているのでは、という声も出ている。

 ジャンボ尾崎は、ツアー競技中にもよくコースでタバコを吸っていてその姿がテレビに映し出される。

 前出の大井田教授は言う。

「日本人の特性として、周りが吸うから吸っているという人が多い。それだけに、社会的に地位のある人や有名人、プロスポー選手たちがこれ見よがしにタバコを吸うことは問題だ。今、喫煙者は女性と、サービス業に携わる人、看護師、ゴルファーなどに多い。
それにひきかえ米国では、スポーツをやっている人ほどタバコを吸わない心拍数を上げたり、運動能力が落ちるのを知っているからだ」

 週刊ゴルフダイジェスト6月20日号の「ホールインワン」特集で昨年2回ホールインワンを達成して紹介された神奈川県逗子市在住の山崎進康氏(70)は、自らも医師でタバコは吸わない。

「私の医師仲間やゴルファー仲間でタバコを吸う人は誰もいないので、喫煙が実際にどれだけゴルフに悪影響を及ぼすかは分からないが、呼吸機能に影響しリズムを狂わすのでゴルフにはあまり向かないのでは」と禁煙を勧める。

 愛煙家の方には、ゴルフのスコアアップのためにはギア選びも大事だが、まずタバコを吸うのをやめることから始めてはどうだろう。

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