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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 6/6号
2006/5/24更新
片山、横田、尾崎直らトッププロに流行中
アイアン用カーボンシャフトが進化している

 今年になって、道具には人一倍研究熱心な横田真一や片山晋呉らが相次いでカーボンにリシャフトしたことから、男子プロの間でもカーボンを試す選手が増えてきそうだ。

 今年のツアーからホンマと契約を結んだ横田真一。ホンマを選んだ理由として、アーマックシャフトの存在も大きかったようだ。それも横田が目を付けていたのはウッドではなくアイアンだった。

 昨シーズン、キム・ジョンドクがいとも簡単に高い球を打つのを見て、興味を持ったのが最初という。オフからテストを重ねていたが、中日クラウンズから実戦投入した。

 プロがダイナミックゴールドに代表されるスチールシャフトを選ぶ理由は安定性だが、「最外層に4方向カーボンを巻いているアーマックは、つぶれやよじれに強く、ヘッドの動きが安定するので球のばらつきが少ない」(本間ゴルフ宣伝担当/桑木野洋二氏)というように、いまのカーボンシャフトの性能はスチールと比べても遜色がなくなってきている。

 ベテランの尾崎直道も今シーズンからカーボンシャフトにスイッチした。尾崎が使うグラファイトデザイン社のプロトタイプの特徴は、重量が約110グラムあり、それまで使っていたダイナミックゴールドS200に近いこと。

 同じ重量ならスチールで十分と考えたくもなるが、実はカーボンのメリットは軽さだけではない。「球が1番手くらい高く、とくにロングアイアンでキャリーが出る」ため、グリーンやピンを狙うにも当然有利になる。

 米女子ツアーで活躍するキム・ミヒョンが軽量スチールからアーマックにリシャフトするのも年々難しくなるコースセッティングに対応し、高さで止める球を打つためだ。

「同じ重さでもカーボンの方が振りやすく感じる」と話す尾崎は、米シニアツアー参戦に向けて大きな手応えをつかんでいる。

 このほか、今井克宗や杉山直也らも同じシャフトを試しているが、ここに来てトッププロがカーボンシャフトを見直し始めた背景には、シャフトの進化がある。

「以前の重量級カーボンは、総重量はスチールと変わらなくてもカウンターバランスになっていました。新しいものは重量配分もスチールと同じにしてあります」(グラファイトデザイン営業部長/木本裕二氏)

 つまりスチールシャフトで使っていたヘッドをそのまま使えるわけで、このメリットは非常に大きい。

 さらにこれによって、従来カーボンシャフトのデメリットと考えられていた飛びすぎも解消できる。カーボンシャフトには、たいていスチールより重いヘッドを使用するが、実はこのことが不意の飛びすぎの要因となっているからだ。

 またスチールからカーボンへリシャフトする際、距離感の狂いを嫌う選手もいるが、それも慣れの問題だろう。片山晋呉はすでにカーボンシャフトの距離感を自分のものにしており、「これしかないというくらい完璧」と信頼を寄せている。

「ゴルフを始めて以来ダイナミックゴールド一本でやってきたとか、カーボンを一度も使ったことのない選手の方が、かえってリシャフトに踏み切りやすいようです。ほとんどの選手がこんなに違うのかと驚きます」(木本氏)

 スチールが少し辛くなってきたというアマチュアにも、重量級カーボンはうってつけといえるが、セット交換のアイアンの場合、価格がネックとなるかもしれない。

 仮に120グラムのシャフトを作れば、60グラムのウッド用の2倍の原材料費がかかり、そのまま転嫁すればおいそれと手の出せない価格になってしまう。

 市販されるとすれば、価格面ではウッド用とかけ離れない程度に抑え、限定生産という可能性が考えられるが、いずれにせよそれほど先の話ではなさそうだ。

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