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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 5/30号
2006/5/17更新
年会費値上げが続くなか、「高齢者割引」も登場
会員募集とメンバーライフのキーポイントに

 このところ外資系を中心に年会費を値上げするゴルフ場が増えている。値上げの要因には、小金井CCのようにクラブハウス新築といった施設や設備費の負担増のほか、メンバー中心の運営に移行するのに伴っての改定もある。その一方で、年配会員の年会費を下げる動きも出てきた。にわかに動きがはげしくなった年会費の今後は?

 例えば、アコーディアゴルフの万寿GC(奈良県)は昨年、年会費を3万7800円から8万8200円へと大幅アップした。同GCの場合、ビジタープレーをより制限し、メンバー中心の運営に移行するのに伴っての値上げだった。

 しかし、これほど大幅な値上げには、利用予定の少ない会員は負担が大きいからと、仲介市場に売りが出て、一時期、価格は大幅下落した。

 それもゴルフ場にとってみれば、休眠会員からアクティブな会員へのバトンタッチが促進されるわけで、名変料収入とあわせて、いい反応なのだろう。

 そのためだろうか。「外資系に限らず、年会費を値上げするコースが増えています」(住地ゴルフ)と、このところ年会費値上げは明らかなトレンドのようだ。

 その結果、ゴルフ場によって年会費に大きな差が生まれ、最近は会員権購入の判断材料にされているという。「毎年かかる経費ですから、積み重なれば大きな差になります。年会費で購入を決めるお客さんもいらっしゃいます」(住地ゴルフ)という。

 もっとも、なかには春に入会後、「今年1月にさかのぼって年会費を値上げさせてもらいます」といった通知が届いたという例もあったそうだが……。

 そうした中、逆に値下げを打ち出したゴルフ場がある。新千葉CCがそのひとつで、今年1月から年配者ほど値下げ幅の大きい設定になった。

 基本的に、従来の3万円を2万7000円に下げたのだが、さらに60歳~64歳は2万5000円、以降5歳刻みに2万2000円、2万円、1万5000円、そして80歳以上は1万円と、高齢者ほど負担が軽くなる。また、12歳~18歳のジュニアの年会費も1万5000円と従来の半額にした。

 同CCに聞くと、メンバーの負担を軽くして、その分、プレー回数を増やしてもらうための措置という。一時期、全国的に年会費の滞納の増加が話題になったが、その対策という見方もある。「うちでは滞納者はあまりいませんでしたから、そうした意味合いはありません」

 また、妙見富士CC(兵庫県)では、現在募集の会員権で、ユニークな年会費を設定している。現行の3万7800円を、60歳以上は2万5000円に値引き。さらに、年12回以上来場した会員は次年度年会費が無料になるのだ。

 当然、狙いは数多く通ってもらうことにある。「値上げするコースが多い中で、ちょっと注目されているようです」と同CC側では、募集にいい手ごたえを感じている。

 ところで、こうした年会費改定の動きについて、ゴルフジャーナリストの田野辺薫氏は、

「あるべきクラブ運営からは、年2~3万円といった年会費は安すぎるのであって、本来はもっと高くして、その分、ビジタープレーを制限すべきでしょうね。もっと高くして、メンバー中心の経営にしていくべきだと思いますよ。年配者の配慮にしても、そのうえで年配者の年会費を安くすればサービス価値が出てくる」と指摘する。

 また、年会費を高くすることで、メンバー側には会員としての自覚が生まれ、クラブ運営に参画する意識が生まれるようになるのでは? という。

 そして、昨今の外資系を中心として値上げの動きを踏まえ、「今後は、そっちの方向に行くんじゃないですか」と見ている。さて、今後年会費の動きはどれくらいの幅で、どのように動くのだろうか。注目される。

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