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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 4/4号
2006/3/23更新
8年越しの改造で7445ヤードになったオーガスタ
2人の大御所、二クラスとパーマーの嘆き節

 マスターズが開催されるオーガスタナショナルGCが今年も改造され、昨年より155ヤード伸びて7445ヤードでプレーされることになった。しかし、度重なるコース改造に対する批判の声も出始めている。


帝王はご立腹

 オーガスタは超高速グリーンで有名だが、このためにグリーン上でもボールの落とし場所が限られる上、距離の長いセカンドショットが残ると、バックスピンをかけた高い弾道のショットが打てなくなり、同じヤーデージでも通常のコースより難易度がアップする。

 そのため非力なプレーヤーにはチャンスがなくなる可能性があり、それが非難の原因のひとつになっている。

「トーナメントを開催するという立場から考えれば、改造はオーガスタをダメにしてしまったと思う。私の人生でオーガスタの持つ意味は非常に大きく、あのコースを愛している。それだけに、コースが変わるのを見るのが嫌なんだ」と帝王ジャック・ニクラスは語っている。

 また、アーノルド・パーマーも「私はあの場所が本当に好きで、あそこで起こることのすべてをただ単に愛していたんだ。しかし、今はそう言いきれるかどうか分からない。過去50年慣れ親しんできたコースから、大きく変わってしまったからね」と述べている。

 アメリカゴルフ界の大御所の二人、それも二人合わせればマスターズ10勝という、オーガスタを知りぬいた両雄が改造について批判的な発言をしたことで、より今回の改造が注目されることになった。

 ただしオーガスタの改造は、過去8年間にわたって行われてきた改造の仕上げに近いものと見られている。そして、長いスパンで考えた場合、オーガスタのヤーデージの伸びは、決して長すぎるものではないという考え方もある。

 オーガスタはその開場時点から1998年まで、60年以上にわたって6925ヤードでプレーされていたからだ。

 マスターズの公式ウェッブサイト(http://www.masters.org/en_US/index.html)の日本語ページによれば、「ヒッコリーシャフトやパーシモンヘッドのドライバーの時代」から6900ヤードを超えるヤーデージでプレーされていたことを考えると、もともとオーガスタというのは距離の長いコースだった。

 言い換えればもともと持っていた厳しい顔を取り戻したに過ぎない、という見方も出来る。過去25年だけを取って見ても、ツアープロの飛距離は14パーセントも伸びているのに「オーガスタのヤーデージは7.5パーセントの伸びしか示していない」という事実があるからだ。

 もちろん、ある程度の飛距離がないと、非力なプレーヤーにとっては好成績を収めるチャンスが非常に少なくなるといえるかもしれない。

 しかし、例えば「ティショットで平均フェアウェイキープ率が1パーセントと落ちると、マスターズでは4日間で1ストロークの違いが出る」という統計も出ており、飛ばし屋だけが有利というわけではないようだ。これまでもパワーには劣るが、「名手」の腕前を持つプロたちが大勢勝っている。

 昨年、丸山茂樹も「マスターズで勝てるチャンスは少なくなったが、好きなトーナメントだけに、毎年出場できる成績を収めることを目標にしていきたい」と語っていたが、ポジティブ・シンキングで見直せば、ショットの正確性とパット技術が要求されるコースだけに、まだまだ見所の多いトーナメントであることは間違いないだろう。

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