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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 10/18号
2005/10/12更新
空前の盛り上がりを見せた日本女子オープン
「今年だけ」で終わらせないための問題点

 女子プロ人気が爆発した。首都圏にある戸塚CC(神奈川)を舞台に行われた公式戦、日本女子オープン選手権は、初日から6133人もの大ギャラリーを集める前代未聞の大盛況となった。

 最寄りのJR東戸塚駅には、平日初日の朝からワクワクした表情のゴルフファンが集結。大ギャラリーを予想して用意されたシャトルバスが次々に運行され、コースには早い時間から人が溢れた。

 昨年からジワジワと人気が高まり、男子を追い抜いて今季、ピークに達した感のある女子ツアー。すでに4日間通しの前売り券1万枚は売り切れ、ある程度の集客は見込まれていたが、平日にもかかわらず、初日から当日券が2387枚も売れる異例の事態となった。

 もちろん、女子オープン史上最多なのは言うまでもない。他のトーナメントと比較すると、初日の記録は、今年のサロンパスワールドレディス(1万404人)。

 だが、これは5月5日の祝日にあたっており、比較にはならない。過去にはこれを超えた試合もないことはないが、基本的に数字にゲタを履かせていたことも多く、実数では過去最高と言えるだろう。選手たちも最高のパフォーマンスで大勢のギャラリー応えた。

 しかし、問題がなかったわけではない。ナショナルオープンにもかかわらず、今年は大会前日にプロアマ戦が開催されたことで、賛否両論が飛び交った。

 開催資金確保という大義名分の下、「協賛と併せて約5000万円」(関係者)で、1つのスポンサーに丸ごと売った形のプロアマ戦。

 当初はスポンサー名が冠され、大会とは別物のような形式になっていたことから、大会主催の日本ゴルフ協会(JGA)から協力を要請された日本女子プロ協会(LPGA)は、協力を1度は断った、という話も伝わっている。

 だが関係者の話では、JGA側が頭を下げて再び依頼したことでLPGAが折れて、結局プロアマが行われた。それでも選手、女子プロ協会幹部の一部、さらにはJGA内部にもくすぶる不満はそのままになっている。

 もちろん、一概にプロアマが悪いというわけではない。世界のメジャーでも、女子の大会では全米女子オープン以外はすべて大会そのものに冠スポンサーがついており、プロアマも行われているし、背に腹は変えられない面もあるだろう。

 しかし今回の件に関しては「代理店主導になりすぎた」と、不満を漏らす大会関係者が多かった。昨年から今年にかけて様々な内紛劇があったJGAの事情も影響しており、今後はどうなるかわからない。

 思うように仕上がったコース、人気選手の出場で予想以上のギャラリー数に、満足気に話をしていた溝口まち子大会競技委員長も、話題がそこに触れると「そのあたりのことにはタッチしていないので……」と、言葉を濁しつつも、「選手の立場に立てばできれば前日は練習させてあげたい。(プロアマを)やらずにすめば、それにこしたことはありません」と語っていた。

 今回に関しては、入場券収入の大半はコース側に入る契約になっているが、今後のことも考えると、現在の人気を維持したいのが大会側の懐事情だ。

 これだけの人気があれば、招待客が多い日本のゴルフトーナメントでは、通常、黒字額としては当てにしていなかった入場券収入が確実に見込める。

 もちろん、客が増えれば対応策に予算もとられるが、人気さえあればスポンサーが増えるし、様々な形で運営費が捻出できるはず。

 プロアマを開催しなくても、「ナショナルオープンとしての格」を維持することができるだけの状況が生まれれば、誰にとっても大歓迎だろう。

 注目度の高かった今年の大会は、ナショナルオープンの今後を占う上でも重要な意味があった。

 だがそれも、人気の目玉となっている宮里藍の米ツアー参戦後にも、それなりの人気が維持できればの話だ。他の選手の頑張りと、関係者の認識に女子ツアーの今後がかかっている。

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