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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 7/26号
2005/7/21更新
かたやアルバトロス、かたや「14」の大叩き
「頭の中が真っ白」になったプロたちの悲喜劇

『ツアープレーヤー日本一を競う大会』がキャッチの日本ゴルフツアー選手権の会場は、国内第3のメジャーとして、年々ハードなコースセッティングになっている。そのコースで、今季ここまでベスト10入りがなく、03年のプロ入り以来の低迷を脱しきれていない観がある宮里優作が、最終日にアルバトロスをマーク。一方、パー4で13オン、1パットという悲劇も起きていた。

アルバトロスの次は優勝?

 国内男子ツアーでのアルバトロス記録は、73年にツアー制度が発足して以来、今回の宮里のアルバトロスを加えて26回目。新井規矩雄が3回(73年日本オープン、89年三菱ギャランと新潟オープン)、伊沢利光が2回(94年KBCオーガスタ、04年アサヒ緑健)と複数回の達成者が2人いるため、宮里優作は23人目の快挙となった。

  「ティショットもセカンドも完璧で、寄ったな、と思いましたけど、まさか入るなんて……。グリーンに乗ってピンに寄って行くのが見えていたんですが、ポロッとボールが消えたので入ったと分かりました。頭の中が真っ白になりましたね。これまでホールインワンは3回(試合では2回)ありますが、ぜんぜんアルバトロスのほうが嬉しいですよ」と、興奮を隠せない。

 過去記録された25回のアルバトロスの中には、中嶋常幸が98年の中日クラウンズ2日目、1番パー4(341ヤード)でティショットを直接カップインしたウルトラホールインワンもあるが、他の24回はすべてパー5の2打目が入ったもの。

 今回、宮里が達成した宍戸ヒルズCC6番ホールの588ヤードは、73年以来パー5では最長ホール記録にもなった。

「残りはピンまで261ヤード。左からちょっとアゲていて、フェアウェイの左の少し前下がりのライでしたから、スプーンでグリーンまで届けばいいな、と思って打ちました」

 一度真っ白になった頭を切り替えようとした宮里だったが、続く7番、8番で連続ボギー。「そんなに甘いコースじゃありませんからね」と結局この日は1アンダー、通算5オーバーの21位タイで終わった。

 宮里が「甘くないコース」と言ったように、今年の宍戸ヒルズは、これまで500ヤードのパー5となっていた2番が、480ヤードのパー4になり、パー71からパー70(7147ヤード)に変更なるなど、よりハードなコースに変身。

 大会直前には「低温と雨不足でラフの長さにバラつきがあり、短いところで100ミリ、長いところで150ミリぐらい。今年は多少ピンを振って対応することになるでしょう」(山中博史JGTOシニアディレクター)という状態だったが、大会期間中には降雨もあり、また気温も高めに推移したため、『懸念』していたラフもしっかり伸びていたはず。

 その洗礼を受けてしまったプロもいた。宮里がアルバトロスを達成した同じ日、12番パー4(408ヤード)で、堀之内豊が13オン、1パットの14という大叩きを演じてしまったのだ。

 12番のティショットを左に曲げ、2番のラフに打ち込んでしまったのだが、ここは通常営業ではOBゾーン。コースを熟知しているプロの中には、そこへ打ってしまうと迷わずアンプヤブルを宣言する者もいるほどの場所でもある。

 昨年のチャレンジツアー賞金ランク3位の資格で今季の出場権を得た堀之内は、ツアー選手権初出場。律儀にプレーを続行しようとしたのが裏目に出てしまった。2番のフェアウェイに脱出しようとしたがラフに食われ、木に当たり……、と5打目あたりからは、プレーヤーもキャディも頭の中が真っ白に。

 ちょうど最終組が2番に来るころで、それもパニックに拍車をかけたようだ。幸い(?)ボランティアのマーカーが「しっかり数えてますから」と言ってくれたので打数に気を取られず、プレーに専念できたため「14」という数字がきちんと記録されたのだ。

 この日の堀之内のスコアは36、48のトータル84。「1ホール14も叩きながらハーフ50は叩かないし、ちゃんと80台で収めるとは、さすがプロ」と感心(?)しきりのギャラリーもいた。

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