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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 6/21
2005/6/15更新
ショートゲームの「先生」はタイガー
年間グランドスラムに賭けるアニカの秘策

 今週9日から始まる全米女子プロ。プロの最高峰を競うこの試合に、アマチュアのミッシェル・ウィが招待され話題を集めているが、やはり気になるのは年間グランドスラムのかかったアニカ・ソレンスタムの動向だろう。

メジャーだけが今の目標

 なにしろソレンスタムは、今季6戦して4勝(6/4時点)。5月初旬のミケロブ・ウルトラオープンではLPGA初の6連勝(出場試合中)という記録こそ作れなかったものの、昨年末から8戦6勝と、前代未聞の快進撃を続けているのだ。

 先のコーニングクラシックでは、2日目、3日目と「モノが2重に見えた」というほど体調を崩していたにもかかわらず、終わってみれば2位タイ。ある意味では、2000年のタイガー・ウッズと比較しても劣らないほど、他のプレーヤーとの実力差をつけている。

 となれば、やはりタイガー以上に年間グランドスラムの可能性が取りあげられるのも当然だろう。

 メジャー8勝を含め、ツアー60勝という記録を持っているソレンスタムだが、キャシー・ウィットワースが持つツアー88勝という米女子ツアーの最高記録を破る可能性について尋ねると、

「88勝が可能なんて考えてもいなかった。でも、自分が思っていたより速いペースでここまで来ているのも確か。目標を持つのは良いことだけれど、88勝の記録を意識するのはたぶん、私が75勝を挙げてからでしょう。今はメジャーに勝つことを最優先の目標にしています」

 と、暗にパティ・バーグが持っているメジャー15勝という記録を意識しているようにも受け取れる発言をしている。

 タイガー・ウッズがジャック・ニクラスの持つメジャー18勝を意識しているように、ソレンスタムも、通常の試合では充分に勝利数を挙げていることから、メジャー獲りだけを目指してゆけば、自然に通常の試合でも勝ち星が増えるという計算なのかもしれない。

 それでは、メジャーに勝つためにはどうしたらよいのか? という話になるのだが、じつはソレンスタムは、なんとタイガー・ウッズから直接ショートゲームを習い始めているのだ。

 メジャー大会と比べて、通常の米女子ツアーの試合ではコースセッティングがやさしいために、ショートゲームの技術をさほど必要としない。しかしことメジャーにおいては、男子ツアー並の厳しいコースセッティングで、ショットの多様さが要求される。そこでショートゲームが重要になる。

 ソレンスタムを教えるタイガーは、「アニカはスポンジのように、教えたことをどんどん吸収する。そうした技術が実際に試合で使われるのを目にするのは、なんともいえない良い気分だよ」と語っている。

 かたや教わる側のソレンスタムは、「タイガーのパワーゲームは真似できないけれど、グリーンまわりでは、学ぶべきことが本当に多い。とにかく私はどんな悪い状況でグリーンをはずしても、ちゃんとパーが獲れるゴルフがしたい。タイガーは、彼が過去4~5年に渡ってツアーで覚えたいろいろなショットテクニックを、喜んで教えてくれます」と言う。

 二人は同じフロリダのオーランドに住んでいるのに加え、タイガーの奥さんとソレンスタムは、スウェーデン人同士ということもあり、最近離婚したばかりのソレンスタムがタイガーの家を訪れる機会が増えているようだ。

 他の女子プロが持っていないショートゲームの技術をモノにして、メジャー獲りにかけるソレンスタム。すでにクラフト・ナビスコに優勝しており、今週の全米女子プロは、2003年と04年に2連勝しているゲンの良い大会。となれば、年間グランドスラムもかなり現実味を帯びてくる。

 引き続き6月下旬には全米女子オープンも控えており、その女子オープンに参戦するミッシェル・ウィや宮里藍といった若手たちがソレンスタムを相手に、どんなプレーをしてくれるのかも楽しみだ。

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