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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/15
2005/3/9更新
「職業高爾夫公開宴」はプロゴルフ大会のこと?
中国で初めてのミニツアーが海南島で開催される
 95年に深土川(シンセン)のミッションヒルズGCでワールドカップが開催されて以後、徐々にゴルフの国際級大会が開かれるようになった中国。アジアツアーはもちろんのこと、今年は欧州ツアーがアジアとの共同開催も含めて5試合を開催する。そうしたビッグイベントばかりでなく、草の根的なミニツアーも、中国国内のゴルフ人気を追い風として、産声を上げようとしている。

 4月15日から17日の日程で深土川(シンセン)のミッションヒルズGCで日本対アジアの男子プロ対抗戦・VISAダイナスティカップが開催されるが、それとほぼときを同じくして4月13、14日の両日、賞金総額1000万円(優勝200万円)の2日間競技が中国南端に位置する海南島で行われることが決まった。

 大会名は「CITIC CUPボアオ・アジアプロオープントーナメント」。中国での名称は「中信杯 BOAO亜州職業高爾夫公開宴」となっている。

 仕掛け人は、90年に「プレーヤーズツアージャパン」という組織を立ち上げ、日本国内で米国スタイルに近いミニツアーをプロデュースし、自らも選手として参戦している浦東大人。石垣聡のツアー登録名を「すし石垣」と命名したり、CSのゴルフチャンネルで解説をするなど、知る人ぞ知るといった存在の人物でもある。

 ミニツアーを単なる賞金の奪い合いの場ではなく、大きなトーナメントが開催されない地方でのお祭り的なイベントにしようと、96年から「釧路湿原ゴルフトーナメント」を賞金総額600万円(昨年実績は900万円)で立ち上げるといった活動も行ってきた。

 そうした浦東の実績が見込まれ、海南島の観光PRなどを請け負っている「海南マックス通商」という日本企業から「何か海南島でゴルフのイベントを」と企画立案を依頼されたのが、今回のミニツアー開催のきっかけとなった。

 トップクラスの選手を招聘するのでは、予算的に無理があると判断した浦東は、日本やアジアのツアーには出られないクラスの選手たちにとって研鑽の場となるミニツアーを提案。今年1月にマレーシアで行われたアジアツアーのQスクールに、40人の合格枠に対して、日本人だけでも115人もが挑戦するほど試合を求める下積みの選手が多数存在するという事実が、その企画提案の根底にあった。

 その提案に地方行政機関である海南省の「海南省旅遊局」、つまり観光局が賛同し、地方自治体を挙げてのイベントとなった。メインスポンサーの「中信有限公司(CITIC)」は、発展著しい中国の国際信託投資会社で、今回大会が開かれる「中信ボアオGC」もそのグループ企業のひとつ。

 参加選手はプロ90人とアマ30人を予定しているが、プロは日本が60人、中国が10人、残りは他のアジア地域の選手を予定しているという。

「先日、打ち合わせで海南島に行ったのですが、そのとき省の高官に『政治的には日本に対して信頼感がないが、スポーツ、文化の交流では、友好、親善を求めている。ゴルフを通じて、そうした架け橋になって欲しい』と言われました。ミニツアーは、試合に出られないプロたちの研鑽の場でもありますが、『友好・親善』という大会の趣旨をしっかり認識した人に出て欲しいですね」と浦東は話す。

 米ツアーには2部ツアーとしてネーションワイドツアーがあり、日本ツアー、欧州ツアーにも同様にチャレンジツアーがあるが、アジアツアーにはまだ2部に相当するツアーがない。そのため、選手たちにとって、Qスクールに失敗すれば1年を棒に振らざるを得ないという現実が待っている。浦東の企画は、行く行くは、そういう選手たちの受け皿に発展する可能性もある。ダイナスティカップが開かれるミッションヒルズGCは、180ホールと世界一の規模を誇るコースだが、それを支えているのは中国の急速な経済発展に伴うゴルフブーム。中国のハワイと呼ばれる海南島もブームに乗って現在16コースが営業中だ。

 また、ブームばかりではなく、08年の北京オリンピックではゴルフが種目に加わる可能性もあり、選手育成も中国にとっての急務になっている。「職業高爾夫公開宴」は貴重な実戦経験を積む場とも位置づけられているようだ。

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