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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/18
2005/1/26更新
38年ぶりに廣野で開催される日本オープン
阪神大震災から10年目のメモリアルに
 今年の日本オープンは、日本中のゴルファーの憧れと言っていい廣野GC(兵庫県三木市)で開催される。名門倶楽部であり、C・H・アリソン設計のコースは世界的にも高く評価されている。にもかかわらず、同大会は67年を最後に38年間も開かれなかった。長く待たされただけに、その理由も知りたいところである。

 廣野GCでは、日本オープンは過去4回開催されている。戦前の1939年の第12回大会が最初で、その後は戦後の55年、60年、そして前回の67年と実施されてきた。

 以来38年。この間、同じく名門の関西の茨木CCや関東の東京GC、霞ヶ関CCではそれぞれ何度か実施されている。廣野GCには、敬遠される何か特別な理由があるのだろうか。

 「理由は、今の日本オープンを開催するには駐車場が狭く、ハウスも小さいという、施設上の問題です」と説明するのは日本ゴルフ協会(JGA)の川田太三氏(競技委員会副委員長)。

  川田氏によれば、日本オープンが72年から有料入場制を実施し、積極的な集客が図られるようになると、当然、ギャラリーへの様々な配慮が求められるようになった。快適に観戦してもらうためのスムーズなアクセスや安全な観戦スペース、トイレやギャラリープラザの設置等で、それなりに広いスペースが必要になる。

 その点で街中にある廣野GCには余裕がなく、また車でのアクセスの悪さが同大会開催の大きなネックになったというのだ。

 もちろん、今回そうした問題がクリアされたわけではない。「確かにギャラリーの皆さんには多少の不便はかけるでしょうが、それでも廣野で日本オープンを開催する意義があるんです」(川田氏)

 JGAでは80年代から日本オープンを「日本ゴルフのレベルの高さを世界に発信」する大会と位置づけ、開催コースを厳選し、妥協のないタフなセッティングを行ってきた。その歴史の中で廣野GC開催は欠かせないとして、実は20年も前から検討していたそうだ。その結果、地元・阪神淡路大震災からちょうど10年。そして、同コースでの戦後最初の開催からちょうど50年目の今年、「多少の障害はあっても…」と開催に踏み切ったのだという。

 こうした区切りの年での開催は、英米の各ナショナルオープンでも採用されている。JGAでもプロモーションの点から、また「大会の歴史にロマンスを加える点からも重視していきたい」(川田氏)としている。

 一方、廣野GC側だが、コースに関しては、もともと距離があり、一部でティを後ろに下げた(大会は7200ヤード前後となる予定)他は、特別な改造なしに大会に相応しいコースセッティングになったという。

 「競技委員の下見で、フェアウェイの幅も通常営業とほぼ同じで良いとのことでした。あとは、大会前にラフの深さを調整するだけです」(山羽仁支配人)と自信を見せるが、やはり大ギャラリーの受け入れには不安を拭えない。

 今回は、ギャラリー駐車場は用意せず、徒歩1分にある広野ゴルフ場前駅利用で、かつ入場者数も制限する予定。おそらく1日1万人以下に抑えられる模様だが、それでも同GCではかつてない混雑になるはず。「せっかくの久々の日本オープンですから、安全かつ楽しく見ていただけるよう、ギャラリーの皆さまには、ご協力をお願いいたします」と山羽支配人は、10カ月も先の大会に今から気を揉んでいる。

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