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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/23
2004年更新
新潟県中越地震被災地へ「プロの恩返し」
ゴルフ関係各界から義援金、救援活動相次ぐ
 新潟中越地震の被災者には、依然本格的な復興作業に取りかかれないなど、厳しい状況が続いている。そうした中、様々なところで義援活動が行われているが、プロゴルフ界でも今回は自主的に素早い支援が行われている。主な動きを紹介しよう。

 新潟中越地震が発生したのは10月23日。プロゴルフ界では、まず男子ツアーの日本ゴルフツアー機構が25日の理事会で100万円の義援金寄付を決定。その後、選手会も同週のABCチャンピオンシップ、先週開催のアサヒ緑健と続けて会場で出場選手に対して支援の募金活動を実施している。この活動は今後も続けられるようだ。

「個人的には、ABCで優勝した井上信選手が100万円を送ることを表明しています」(ツアー機構事務局)

 組織的にいち早く支援の声を挙げたのは、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の選手たちだった。27日のIDC大塚家具レディスの練習日に、出場全選手が集まる選手ミーティングの会場で誰言うともなく、自然発生的に義援金のチャリティ活動が提案された。その結果、決まったのが、「ツアー終了までの全大会、全選手、バーディ(イーグルを含む)を1つ取るごとに1000円以上を寄付する」という内容で、これには異論はほとんど出なかったようだ。

 さらに、同大会では、まず優勝の古閑美保が早々にLPGAを通じて100万円の義援金を贈ることを表明した。

「新潟は私にとって一生忘れることのできない初優勝の場所です(昨年のヨネックスレディス)。実は、今回の地震のあとすぐにそのときのキャディさんが心配で電話したんです。ですから、他人事とは思えませんでしたので、優勝の直後に賞金の一部を寄付させていただこうと思い、協会の方に申し出ました」と本人は語っている。

 その他、宮里藍が100万円、不動裕理がベストスコア賞の30万円、李英美が大会2日目に記録したホールインワンの賞金10万円を寄付。そして、大会自体も期間中会場の6箇所に設けたチャリティ募金箱に寄せられた56万円余の浄財に加え、3日間の当日券売り上げの全額を義援金に回すことにした。その売り上げ金額というのが736万円。約2700人ものギャラリーが当日券で入場していたのだ。

「当日券がこれだけ売れたことは、女子のトーナメントでは余りなかったと思います。会場が東京近郊だったことやゲーム展開もありますが、やはり現在の女子プロ人気のお陰でしょう」とある大会関係者は証言する。

 女子ツアーがその注目度に見合った社会還元をすることはいいことだろう。

 なお、主催の大塚家具も今回のチャリティ活動には大いに意義と手ごたえを感じているようだ。もっとも事が事だけに、大会事務局からは「ご協力いただいた皆様のお陰です。震災の復興に少しでもお役に立てればと思います」と控えめなコメントしか聞かれなかったが……。

 また、同週の日本シニアでも6位に入った中嶋常幸がその賞金全額(165万円余)を「新潟オープンに優勝させてもらうなどお世話になっているので、こうして恩返しできることはうれしい」というコメントとともに寄付している。

 95年の阪神大震災を契機に、災害被災者に対するチャリティやボランティア活動の意識が社会的に高まった。プロゴルフ界でも同様の動きが自発的に起きていることは間違いないようだ。

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