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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/9
2004年更新
藍ちゃん予選落ちでも、さくらがバトンタッチ
男女日本オープンの視聴率は今年も女性の勝ち
 東海クラシックに勝った今井克宗が優勝インタビューの最後に「これからもチャンネルは是非、男子ゴルフでよろしくお願いします」とアピールせざる得なかったほど、このところ男子ツアーのテレビ視聴率は女子に圧倒されている。その力関係は男子ゴルフの最高峰、日本オープンでもくつがえらなかった。日本女子オープンの後塵を拝した同大会の関係者に話を聞いた。

 日本オープンといえば、ゴルファー日本一を決める、国内で最も権威あるタイトル。そして、その模様はNHKテレビで長時間生中継される。例年、タフなコースセッティングで最後まで勝敗の分からぬ展開と、その緊張感が伝わる生中継はファンに人気で、かつては20パーセントに迫る高い視聴率を誇っていた。


土日各3地域での視聴率は、すべて男子の完敗。中部地区においては女子が倍近い視聴率!
 今年も、最終日の終盤は1ホールごとに展開の変わる、目の離せない面白いゲームとなった。そして、最後は谷口徹の涙の復活優勝。スポーツ中継番組としては申し分ない内容だった。ところが、結果はご覧の通り。

「この視聴率はコアなゴルフファンの数字でしょう。どんな展開でもこの数字程度は取れるということ。逆にいえば、今、男子ゴルフはコアなファンしか見てないのかも」と某民放局の番組制作関係者。ややあきれ気味の口調で語ってくれた。

 一方、日本女子オープンは注目の宮里藍は予選落ち。もう一人の人気ルーキー・横峯さくらが2位と健闘したものの、中継が始まったときには、優勝した不動裕理がブッチリ状態で、既に優勝の行方は決まっていた。

 にもかかわらず、男子をはるかに上回る数字を記録したのだ。

「もう少し競った展開で、その上位陣の中に藍ちゃんが加わっていたら間違いなく10パーセントは超えていたでしょう」と先のテレビ関係者は語る。

 この人気の差を、男女両オープン会場でのメディアの動きに詳しい関係者は、

「以前は、日本オープンには各スポーツ新聞とも記者2人は派遣していました。ところが、今年は2人寄越したのは確か1社だけ。逆に、女子ツアーへ2人派遣している。こんなこと以前は考えられなかった」と証言する。また、今年の女子オープンには民放各局の取材陣が来場していたそうだが、これも従来は見られなかった風景という。

 それだけメディアの扱いに差があれば、一般の関心もどうしたって女子に傾こうというもの。

 ところで、その民放局だが、現在の女子ツアーの視聴率をどう評価しているのだろうか?

「ジャンボの全盛期、常時10パーセント台を挙げていた時代と比べるとまだまだ営業的においしいコンテンツとは言えない。15パーセント以上、あるいは男女合わせて常時20パーセントを超えないと、テレビ局は色めき立たない」と冷静さを保つ。

 そこで注目されるのが、横峯さくらが再登場する今週からの中継の数字だ。

「女子の視聴率の上昇は昨年からのトレンドです」と語るのは、今週のIDC大塚家具レディスを含め、今季は女子ツアー7試合を中継するテレビ東京スポーツ局の津村勇太郎プロデューサーだ。同氏によれば、女子ツアーの好調な数字は、もともと昨年から上昇傾向があったところに、9月の宮里藍のツアー優勝で弾みがつき、さらに今季開幕戦の勝利で勢いが増した。その後も彼女一人なら飽きられるところに、続々とフレッシュな若手が登場して、上昇傾向は継続しているという。そして、今度の横峯の登場で、もう一段のアップがあると予想する。

「もちろん展開次第ですが……」と断った上ではあるが、今週10パーセント超えてもなんら不思議ではない、それくらい魅力のあるコンテンツになったと語る。

 ツアー関係者によれば、日本女子プロゴルフ協会には、すでに2~3の新規スポンサーが名乗りを挙げ、一時は不安視されていた「再春館レディース」の後継スポンサー探しも無事見つかったようだ。

 女子ツアーの我が世の春はいつまで続く?

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