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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/19
2004年更新
相変わらず元気のない用品市場のなかで
ネットショッピングだけが急成長する理由
 先月、ゴルフ市場のマーケティング調査では最も権威のある『ゴルフ産業白書』の04年度版が矢野経済研究所から発刊された。その中に、オンラインショッピング市場が急拡大しているという注目される調査結果があるので紹介しよう。

 同白書は、今年の4~8月にかけて、全国のメーカー、卸売り、小売の約450社に対して、用品群別に代表的な企業を抽出しアンケート、ならびに直接対面で調査したもの。それによれば、03年のゴルフ用品の総出荷市場(輸出と国内の出荷合計)は、前年比95.0パーセントの2801億円8550万円で、6年連続のマイナス成長になった。また、今年1~8月の出荷の推移から04年の総出荷市場についても、同97.8パーセントの2739億円余で、マイナス成長が依然続くと予測している。

 このうち国内出荷だけ見ても、03年は7年連続マイナスの前年比95.8パーセント(2469億円余)、04年予測も同98.8パーセント(2439億円余)で、市場は縮小すると見ている。

 その上で用品市場が元気を取り戻せない理由として、ウッドにおいては高反発クラブの行き渡り感があるところに、かつてのゼクシオのような、買い替え需要を呼び起こし、市場を強力に牽引するような新モデルの不在。アイアンにおいては、10本セット売りの崩壊とスチールシャフト人気による単価の下落。また、03年は冷夏、暖冬の影響でウェアの需要が低迷したことも理由としている。

 面白いことに、今年序盤はゴルフ場にゴルファーが戻りつつあり、用品市場にも活気が戻ったのだが、実際に需要が伸びたのはボールやグローブといった小物の消耗品が中心で、クラブやウェアといった単価の大きな大型商品までは及ばなかった。つまり、プレー代と消耗品で予算が食い尽くされた形だ。また、オリンピックイヤーで液晶・プラズマテレビといった高額家電に家計を奪われた影響が見られるという。

 と、明るい話題が見られない中、唯一成長したのがオンラインショッピングだ。

 同白書では01年からネット市場を調査しているが、02年は前年比182.4パーセント、昨年も同187.1パーセントと倍々に迫るペースで拡大。03年の市場規模は58億円と推測する。そして、04年も153.4パーセントと依然高い伸びが続くと予測している。

「利用者が増えた一番の要因は、ブロードバンドの普及にあると思います」と語るのは、オンラインショッピング大手某社の担当者。

 ネットショッピングの場合、画面を長時間見る必要がある。商品の詳しい情報から値段の比較検討、そのサイトや商品に対する利用者からの書き込み情報等、多くの情報を読み込んで、納得して初めて注文する気になる。それには時間がかかるのだが、料金定額制のブロードバンド環境でなければ、当然そんなことゆっくりしていられない。

 そうして実際に利用した人が利便性や安全性、あるいは価格面での魅力を実感するとリピーターとなり、さらに口コミで広めたのだ。実は、ネットは個人が情報を発信できる口コミのメディアでもある。つまり、評判が評判を呼ぶ市場なのだ。

 こうしたネット市場の拡大に、既存の店舗ショップも座視できなくなった。最近、多くのショップがホームページにショッピングサイトを開設するようになった。そのうちの一社、今年5月に同サイトを立ち上げた二木ゴルフは、「まだ売り上げにはつながっていません。今は、このサイトにはどういったお客さんが来られて、それに対してどんなサービスや商品を売ることができるのか調べている段階です。もちろん宣伝、広告として展開している面もあります」(ネット事業部)として、営業的にはこれからと語る。

 それでもいずれも「登録会員制」を行っているので、顧客を他の競合サイトに囲い込まれてしまう。乗り遅れては一大事の状況のようだ。

 どうやら、成長市場なだけに、群雄割拠、戦国時代の様相はしばらく続きそうである。

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