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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/7
2004年更新
ウイルソン復活のカギを握る? 若手2人
女子プロテストで1、2位の上原と横峯
 8月上旬の女子プロテストで、トップ合格の座を争った上原彩子と横峯さくら。アマチュア時代から全国的な知名度とプロに迫る実力を誇っていたこの2人、意外にも? クラブはウイルソンを選んでいる(上原は用具・用品のフル契約)。国内では今やメジャーとは言えないポジションに追いやられている同社が、2人の人気有望選手に選ばれた理由とは?

 宮里藍を始めとする最近の若手女子プロに注目しているのはファンやメディアだけではない。用具メーカーも熱い視線を注いでいる。露出度の多い彼女たち(といってもシャツの裾からおヘソが見えるという意味ではない)と用具契約をすることで販促効果を狙ってのことだ。実際、ブリヂストンでの今季の藍ちゃん効果は相当なもので、男子契約プロの存在がかすむ勢いだ。そのため、かつては男子に向いていたメーカーのプロ担当の目も、今は女子に移りつつある。


合格証書を持つ横峯、上原、宮里藍。熱い視線が注がれる若い女子プロ誕生に、樋口JLPGA会長もご満悦?
 某メーカーのプロ担当も「今年になって、各社とも明らかに女子の担当を増やしています」と様変わりを証言する。

 そんな中、今年の女子プロテストで1、2位となった上原と横峯にも、当然、各メーカーの熱い視線が注がれたはず。ところが、その2人、上原がフル契約を結び、横峯がアマチュア時代から用品の提供を受けていたことから、契約でも他社を一歩リードしているのが、国内ではメジャーでないウイルソン。大手を出し抜いた形になる同ブランドの販売元、アメアスポーツのプロ担当に話を聞いた。

「上原プロがまだアマチュアだった2年前にボールを使ってもらった縁で、昨年プロ転向するとすぐにフル契約。その縁で横峯姉妹(留衣、さくら両プロ)のお父さん(良郎氏)からご相談を受けまして、そこでうちができる契約、サポート内容を提案したところ、気に入ってくださったようです」(プロ担当・梨本博之氏)

 梨本氏によれば、3年前まで同社には契約ツアープロはいなかった。しかし、改めてプロからアマのトップダウンによる宣伝効果を図ろうと、フレッシュな若手プロやジュニアを中心に交渉を再開した。

「ウイルソンゴルフはゼロからの再出発といってもいい立場。ですから、大手のような契約金は出せません。でも、用具に関しては全面的にバックアップします。うちと一緒に大きくなっていきませんか?」と声をかけたそうだ。それが最初に実を結んだのが上原であり、男子では3年前に契約した神山隆志(今季JCBクラシック仙台でツアー初優勝)だった。なぜなのか?

「たぶん、選手たちは契約金より、用具の面でどれだけ自分たちの要望に応えてくれる体制かを重視したのだと思います」と振り返る。

 確かに別のメーカー関係者も、「大手が有利と思われますが、若い選手の中には、トッププロを多く抱える大手では“その他大勢”の存在になりバックアップが心配だからと敬遠する選手もいるようです」と語る。

 一方、上原本人は「江連忠プロの紹介でウイルソンのボールを使ってみたら、飛距離が伸びて、よく止まるボールだったので魅力を感じました。パットの転がりがいいのも気にいっています」と、まずは性能を一番の理由に挙げている。さらに「大手メーカーから誘われても、今は移る気はありません」と語る裏には、同社のサポートに満足していることがありそうだ。

 また横峯プロの父親・良郎氏も「プロとして無名の留衣がフル契約してもらっている恩義もあって、さくらにアイアンを打たせたら気に入ったので、ボールも含めモニターで使わせてもらいました。用具の正式契約は、今話し合っているところです。大手からも話は来ています」と、やはり“まず用具の性能ありき”だったようだ。

 すでにプロとして契約している上原はともかく、プロになったばかりの横峯は、まだ交渉中で契約はこれから。しかも、ドライバーはダンロップのゼクシオを使うなど、アイアン以外は他社のクラブを使っており予断は許さない状況。ウイルソンとしては有望な両若手女子プロというフレッシュな伴侶を得て、かつての存在感を取り戻したいところだが、今後の行方が注目される。

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