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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/7
2004年更新
全米プロ開催のウィスリングストレイツ
他メジャー大会が触手伸ばすも賛否両論
 全米プロが開催されたウィスリング・ストレイツ。同大会中は、このコースに対する賛否両論が相次いだが、全米オープンをはじめ、ライダーカップ開催の可能性まで出てきていることから、この論議が今後しばらく続きそうだ。

 大会終了後に「We will be back here(我々はここに戻ってくる)」と主催のPGAオブ・アメリカ専務理事、ジム・オートレイ氏が語ったが、これは全米プロが、このコースで将来再び開催されることを指すだけでなく、同じPGAオブ・アメリカ主催のライダーカップを開催する可能性まで示唆していた。加えて、このコースのオーナーであるハーブ・コーラー氏によれば、USGA(米国ゴルフ協会)は、09年の全米女子オープン、2012~16年のどこかでの全米オープン開催を計画してしているとか。すでに07年の全米シニアオープン開催が決定していることもあり、今回の全米プロでもUSGA関係者が視察に来ていたが、どうやら今回の結果に満足した様子で、今後、交渉を続けることを約束した模様だ。


“米欧折衷コース”はライダーカップにもってこい?
 全米プロでは、2アンダー、24位タイに終わったT・ウッズは「USGAがこのコースをどんなセッティングにするのかなんて見たくない」と語っていたが、今回の全米プロ以上に、ラフを深くして、グリーンを速く、硬くしたらスコアにならないということなのだろう。しかし、一方で、今回の全米プロに関しては、「グリーンは止まるし、非常にフェアなセッティングだ」と繰り返し、このコースの良さを強調していた。

 開場してまだ6年と新しいコースだが、アイルランドのリンクスコースを真似て、巨匠ピート・ダイが設計したというだけあって、見た目も派手で、テレビ映りもいい。

 しかし、「リンクスコースに見えるけど、グリーンを攻める際も(リンクスのように)手前から転がして乗せることはできず、(アメリカのコースのように)ボールを上げるしかない」とE・エルスが語っていたように、ターゲットゴルフを強いられるコースとなっている。

 にもかかわらず、全長は過去のメジャーでは最長の7514ヤード(最終日は7536ヤードでプレーされている)。加えて、バンカーの数は1400近くと、正確な数がわからないほどの多さだし、リンクス特有の膝の高さまであるフェスキューの大ラフが、フェアウエイの両サイドに控えている。

 非力な選手ではグリーンに届かないばかりか、「バンカーが小さいのでスタンスが取れなかったり、砂の量がまちまちで思ったようなショットができないし、ラフに入れれば距離が残るのでグリーンを狙えない」(丸山茂樹)ということになる。

 なにしろ500ヤード以上のパー4が3つもあり、ロングヒッターに有利なのは明らか。結局、飛ばし屋の間では、このコースの評価は高く、さらに言えば、飛ばし屋を多く抱えるアメリカにすれば、ここでライダーカップを開催しようと考えるのも頷けるものがある。

 ただ、ちょっと気になるのは、コースのアップダウンが厳しく、ギャラリー通路も狭いため、大会期間中、転んで怪我するギャラリーが続出していることだ。PGAオブ・アメリカによれば「救急車で病院に運ばれたのは、日曜日まででわずかに7、8人、それとは別に車で病院に運ばれたのもさほどの人数ではない。骨折した人もいないし、大半は足首を挫くなど軽い怪我ばかり」ということだが、なんと練習日の3日間で、コース内のメディカルセンターで治療を受けた人数は100名を超えている

 さらに、丸山と同じ組でラウンドしたS・ホークは、初日、2日目と続けて、転んで手首を怪我して棄権。選手まで怪我をするコースということだと、メジャーどころか、ゴルフコースとしての基本的な安全性に欠ける欠陥コースともなりかねない。などなど賛否両論あるが、今後メジャー開催コースとして定着していくのか、注目される。

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