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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 7/13号
2004年更新
公平さ欠くラウンド中での水撒きが拍車
難しすぎたシネコックヒルズを選手が批判
 全米オープンは終わったが、今年のシネコックヒルズについての論議はいまだに続いている。最終日のコースセッティングが、あまりにも難しかった上に、試合中、グリーンに水を撒くという異例の措置をとったために、主催のUSGA(米国ゴルフ協会)に対する批判の声が上がっているのだ。

 最終日の平均ストローク数は、78.727。この日9オーバーの79で上がった田中秀道がホールアウト後、順位表を見て「鳥肌が立った」と語ったのは、79を叩いても、順位が変わっていなかったからだ(その後、逆に順位を上げて43位タイから36位となっている)。スコアだけで見れば、00年のペブルビーチでの全米オープンでも、3日目の77.12というのがあるし、72年の最終日は、78.8という記録が残っているが、ペブルビーチはパー71、オーバーパーの記録としては、近年では、今年が最高となっている。

 しかし、問題はスコアが高かったことだけではない。

「まるで冗談のようだよ。優勝スコアが高いことは誰も気にしない。むしろフェアなゴルフ、良いゴルフを見せるセッティングにすべきだ」とジェリー・ケリーが語るように、良いショットが報われるようなセッティングになるべきという批判の声が上がっているのだ。

「コースそのものはすばらしい。初日、2日目のセッティングは、パーフェクトだった。しかし、3日目はシビアになり、最終日には手がつけられなくなった」とT・ウッズは語るが、たとえば7番のパー3(189ヤード)など、なんと最終日は、パーオン率が18.2パーセントという数字だった。グリーンが右から左に傾斜しているうえ、芝が乾燥して速くなっていたため、どこに打っても、左にこぼれてしまうような状態だったからだ。

「このコース特有の風は、海からの湿気を含んだ南東からの風だが、週末、北西からの暖かい乾いた風が吹き荒れた。そのために、グリーンが予想以上に乾ききってしまったのと、たとえば、7番では右斜めからのフォローの風となり、よけいボールが止まりにくくなってしまった」(ウォルター・ドライバー、USGA競技委員長)ということで、USGAは、あくまで不測の事態だったことを強調する。しかし、完全な約束違反をUSGAが犯していたのも事実だ。と言うのは、7番があまりにシビアなため批判の声が続出、最終日は、この7番グリーンに(これ以上グリーンを速くしないために)ローラーをかけないことを約束していたにもかかわらず、「私はローラーをかけることを命令していない。たぶんメンテナンスクルーが、いつもの通りにやってしまったのだろう」(ドライバー委員長)といった人為的なエラーを犯しているのだ。そして最終日、最初の2組4名のうち3名がこの7番でトリブルボギーを叩き、もうひとりがボギーで終わったのを見て、USGAは事態の深刻さに気付き、急遽、水撒きを始めたのだ。そして、7番以外の他のホールでも、その水撒きを数グループ毎に行った。

「すべてのホールで、毎組ごとに水を撒くことは不可能」ということで、水を撒いた直後のグループとそうでないグループとの不公平さを作り、ここでもUSGAは批判を浴びることになったのだ。

 このUSオープンに33回出場しているT・カイトは、「世界で最高の選手が誰もアンダーを出せないなんて(最終日はイーブンパーの70がベストスコア)。グリーンを速くすることしか手がないのだろうが、やり過ぎだ」と語るが、グリーンは試合期間中にどんどん茶色く、芝が死に始めていた。

「これじゃ、メンバーはコースをしばらく使えないね」とM・ウィアが語るように「不測の事態」とはいえ、グリーンの限界、ギリギリまで、硬く、速くしていたために、風ひとつでコースが使えなくなるほどまでに難しくしていたUSGAの責任は免れないだろう。

 とはいえ、優勝したレティーフ・グーセンは「7番? 私は4日間でグリーンを外したのは1回だけ。7番アイアンで、斜面に対してスライスボールを打ってボールを止めていた」とか。

 優勝する選手には、けしてアンプレヤブルなコンディションではなかったということか?

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