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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/29号
2004年更新
エルス、シン猛追! 全米オープンを控え
タイガーの世界ランク1位の座がピンチ!
 メモリアルに勝った時点でE・エルスがワールドランキングで2位に浮上。今週開催の全米オープンを控え、タイガー・ウッズがキープしていた不動のトップの座が脅かされそうになってきた。

 ウッズといえば、過去6年近くワールドランキングのトップの座に座り続けているが、先のメモリアル終了時点で、エルスとの差が、わずかに2.28ポイント、3位のV・シンとは2.55ポイントまで縮まってしまっているのだ。00年のシーズン終了時点では、ウッズが29.40ポイント、2位のエルスが11.69ポイントと、実に17.17ポイントもの差があったが、これが現在ウッズの12.99ポイントに対しエルスが10.71ポイントにまで、接近しているのだ。

 ワールドランキングは、過去2年間の成績をポイント化したもので、メジャーでの勝利のポイントがもっとも高く、過去13週のポイントが多く加算されるように計算されている。

 エルスとの差が2.28ポイントといっても、わかりにくいかもしれないが、今年マスターズで、ミケルソンが優勝したときには、5.45ポイントから7.23ポイントまで1.78ポイント、アップしたといえば、少しはわかってもらえるのではないだろうか。

 一方、ウッズのほうは、02年の全米オープン以来のメジャーに勝っていない。つまり、今週開催のシネコックヒルズでの全米オープンでは、2年前の全米オープンでのポイントを失うことになる一方、もし予選落ちでもしようものなら、大きくポイントを失い、逆転の可能性もなくはなくない、という状況なのだ。もっとも、エルスやシンが、全米オープン勝ったとしても、それだけでは、トップの座が入れ替わるわけではなく、要は、ウッズの全米オープンでの成績次第ということになるが、今のウッズには、ちょっと不安材料が多い。

 それは、ショットの安定性で、本人曰く、「人はいろいろ言っているけど、僕のスウィングは、日々良くなっている」ということで、完璧な状態のすぐそばまで来ているとか。

 しかし、データを見ると、ショットに関しては、あらゆる面で、昨年より悪くなっている。たとえば、もっとも問題があるとされるフェアウェイキープ率に関しては、過去5年間で最高の年でも71.2パーセントでランク54位(00年)だったのが、昨年には62.7パーセント、今年に入って58.9パーセント(144位~メモリアル終了時)にまで落ち込んでいる。

 ただ、フェアウェイキープ率が悪くても、これまではつねにすばらしいリカバリーを見せ、一昨年は、フェアウェイキープ率が67.5パーセントだったにもかかわらず、パーオン率が74.0パーセントでランキングのトップにいた。しかし、そのパーオン率も、昨年は68.6パーセント、今年は65.9パーセント(60位)と落としており、ティショット、アイアンショットともに悪くなっていることを裏付けている。今年は、パッティングで救われているものの、過去5年間、つねにトップをキープし、00年には67.79を記録した平均ストロークも、今年は現時点で69.67で5位。

「もう少しのところまで来ている」というウッズのショットの調子が、全米オープンまでに戻っているかが注目されているというわけだ。

 そんな中、あのジョニー・ミラー(現テレビ解説者)が、「ウッズのピークはもう終わった」などという内容の本を出版したことから、ウッズに対する注目度も高まっているのだ。

 ミラーに言わせると「ジャック・二クラスが作ったメジャー18勝という記録をタイガーが破るのは難しい」そうだ。早熟なプレーヤーは、年をとるのも早く、「タイガーは老けた28歳」で、「これから10年間で、毎年メジャーに1勝したとしても、ジャックの記録とタイになるだけ」で、現在メジャー8勝のタイガーには、二クラスの記録を破るのも難しい、ということになる。となれば、ウッズがワールドランキングのトップの座を明け渡す日もそう遠くないということになるのかもしれない。

 いずれにしても、ウッズの今後の試金石となるのが、今年の全米オープンということになりそうだ。そうした意味でも、今週のシネコックには注目したい。

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