ゴルフダイジェスト出版案内> BACK9
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/8号
2004年更新
10歳の時以来師事し続けてきた清元から
離れた不動に続き、大山も独り立ちへ
 地元・熊本での第2戦、再春館レディースに続き、ツアー最高賞金大会のヴァーナルレディースで、自己最速ペースのシーズン2勝目を飾った女王・不動裕理。宮里藍ら次世代の台頭の波に呑まれず、あくまでも女王の強さを見せつけているが、今季開幕戦後の5週間に大きな身辺変化があったことが明らかになった。なんと、ジュニア時代からそのゴルフ人生のすべてをともにしてきた師匠・清元登子と“決別”したというのだ。

 開幕戦、3月の沖縄では、昨年までと同じように行動をともにし、練習場でも熱心に指導を施し施されていた師弟の関係が明らかに変わって見えたのは、5週後の第2戦のこと。いち早くその変化に気がついたのは、ほかの選手たちだ。

「清元さんと不動ちゃん、ぜんぜん一緒にいないね」「清元先生は(古閑)美保ちゃんばっかり教えてる」「不動がプレーオフになったのに、先生はついていなかった」等々、各所で噂は波紋を呼んでいた。

 そして、一部新聞紙面で『不動、清元門下を卒業、独立』が地味に取り上げられ、不動も「もう新聞に出てましたよね」と、そっけなく肯定。その経緯、不動の真意に質問が及ぶと「何かきっかけがあった、というよりは、なんとなくそんな感じになって……。どちらから言い出した、というのでもなく、お互いにそういう雰囲気ができて」との説明。歯切れの悪い自分の答えをさえぎるかのように「これまで何もかも先生に頼りすぎていたんで、ちょっとひとりで頑張らないと。いつまでもいてくれるわけじゃないし、いろいろ自分でやれなきゃマズいんで」と話した。

 清元門下は、昨年まで不動を筆頭に、昨年のベルーナレディスで初優勝し賞金ランク8位となった大山志保、昨季初Vから2勝を飾り一躍ランク3位に躍進した古閑美保の3人を抱えていたが、そこに今年2月からプロ8年目、29歳の小林ひかるが加わった。小林の入門は、あくまでも他の3人それぞれの了承を得てからのこと。これが長年の師弟関係のバランスを崩させる原因にはなっていない。が、不動とほぼ時を同じくして“次女”大山も清元のもとを離れていた。

「3月で熊本を離れました。今オフ、実家のある宮崎で過ごして、自分にとっての練習環境がすごくいいことがわかったんです。オフの間は週に1回のペースで熊本に通い、清元先生のレッスンを受けてましたが、今は宮崎の男子プロに教えてもらっています」と大山。デビッド・デュバル・ゴルフアカデミーのヘッドティーチングプロ、鶴見功樹の指導を受け始めたという。こちらも「今まで先生にすごく頼っていたので、離れてみて存在の大きさを感じてます。淋しいときもあるけど、強くなるための試練だと思ってます」と話している。

 不動も「これからもどうしても困ったときは清元先生に相談するつもりですよ」と笑顔で話すが、今もトーナメント会場で清元と談笑する大山と違い、4月以降(不動・清元)2人の交わる場面はパッタリ途絶えたままという。一心同体とも思えた師弟の決別の本当の理由は、どこか表立たない部分に隠されているのかも。

 とはいえ“卒業”後、すでに4試合で2勝を果たし、生涯獲得賞金総額も史上最速、最年少で6億円突破。不動のその強さは現在のところかげりを見せてはいない。10歳・小学5年生時から指導を受け、プロデビューから約4年間は清元家の居間に居候、文字どおり「手塩にかけて育てられた」環境から独り立ちした今後、不動自身がどんな道を切り開き進んでいくのかにひとまず注目しよう。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト
ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です