ゴルフダイジェスト出版案内> BACK9
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 4/20号
2004年更新
JGAのうっかりミスで、国体日程と重複
今秋の日本シニアOP開催コースが突如変更
 今年の秋に開催するシニア競技の最高峰、日本シニアオープン。その会場が、嵐山CC(埼玉)から茨城GC東コースに急遽変更になるという異例の事態が起きた。

 直接の原因は、やはり今年の秋、同じく埼玉で開催される第59回国民体育大会「彩の国まごころ国体」との関係にある。

 国体の大会期間は、ゴルフ競技のある夏季大会が9月11~14日、秋季大会は10月23~28日。一方の日本シニアオープンの日程は10月28~31日。つまり、国体を主催する日本体育協会(体協)が制定する「国民体育開催基準要項」の“体協加盟団体は国体期間中及びその1週間前以内には、開催地都道府県内では、一切競技等を行ってはならない”という部分に抵触、それを体協に指摘され、やむなく会場変更と相成ったというわけだ。

 それにしても、夏・秋季の国体の開催県はすでに10年近く前に、正式な日程も3年前には決まっていたわけで、日本シニアオープンを主催する日本ゴルフ協会(JGA)としては、数年前から決めている開催コースについてはともかく、少なくとも日程に関しては、体協の規約を知っていれば調整は可能だったはずだ。

 では、なぜこのような事態が起きてしまったのか?

「国体のゴルフ競技が行われるのは夏季大会なので、それとは日程的にバッティングしないことは確認していましたが、体協の規約で、ゴルフ競技の開催日程とは関係なく、国体の大会期間自体と重なってはダメだということは知らなかったということです。認識不足でした」(JGA事務局)とのこと。過去にはたまたま日程がバッティングするということがなかっただけだという。

 それにしても、JGAの現会長である安西孝之氏は、体協の会長も兼務している。それを考えると、なおさら事前に察知する術はなかったのかと思わざるを得ないのだが……。

 この突然の変更に、今年の開催に向けて準備を進めていた嵐山CCでは、「開催延期は(3月)28日に聞きましたが、急なことでビックリしました。我々も秋の開催に向け、嵐山の町長に大会顧問になって頂くようお願いしたり、地元の企業に駐車場の確保をお願いしたりと、いろいろ準備を進めてきていただけに残念です。大会開催を睨んで、コース内の松の木も移植していたところです」(田村和雄支配人)と肩を落とす。

 結局、嵐山CCは来年の会場となり、07年まで決まっていた開催コースも1年づつ繰り下がることに。今回のミスについて、JGAでは「5年前に開催を決定してから、準備を進めて頂いた嵐山(CC)さんはもとより、1年づつ開催年を変更して頂くことになる各ゴルフ場に対してもお詫び申し上げるしかありません」(事務局)と平謝りだ。

 実は、この日本シニアオープン開催に関係する、ちょっとしたトラブルが、水面下でほかにもあった。すでに早くから決まっていた同大会と同じ週に、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)が、その後、昨年の暮れに「樋口久子殿堂入り記念IDC大塚家具レディス」を、同じ埼玉県内の武蔵丘GCで開催すると発表。それではゴルフファンを食い合ってしまうことを懸念したのだろう。JGAがLPGAに対し開催コースの再考を求め、LPGA側が謝罪するという一件もあったのだ。

 結果的には、日本シニアオープンが茨城での開催となり、同週同県での開催は避けられることになったが、ただでさえ、ファン離れが進むプロゴルフ界。スポンサーの意向、テレビ中継の関係など複雑な事情が絡み合っているのは理解できるが、ツアーの人気がゴルフ界全体を盛り上げることにもつながるわけだから、JGA、LPGA、また、今回は関係ないものの、日本ゴルフツアー機構(JGTO)、日本プロゴルフ協会(PGA)間での連携がもっと図られてもいいような気がする。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト
ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です