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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/28号
2003年更新
外資GSをスポンサーに民事再生進める
緑営グループに筆頭債権者のりそなが異議
 8月4日に民事再生手続の開始を申し立てたゴルフ場大手の緑営グループに対し、約500億円の債権を持つ筆頭債権者のりそな銀行が、ゴールドマン・サックス(以下GS)をスポンサーとする再建方針に異議を唱える『上申書』を東京地裁に提出していたことが明らかになった。

 問題の上申書が提出されたのは8月22日。自らが筆頭債権者であることをアピールした上で、“本事件では、すでにゴールドマン・サックス・グループが支援者となった旨、申立人側から連絡を受けておりますが、支援者(スポンサー)決定の経緯には債権者は一切関与しておりません。申立人のゴルフ場事業再生には支援者が必要とは思われますが、支援者の姿勢次第で債権者の権利が左右されることから、監督委員の主導による支援者の入札を行い、入札の過程で支援者から提案される様々な支援方針や事業価値の評価を比較検討することで、初めて透明性、公平性が担保され、債権者の納得できる事業再生が実現するもの”といった厳しい内容になっている。

 つまり、民事再生申立前に債権者の意向を無視して、スポンサーを決めた今回のやり方は不透明で、公平性も欠く。支援条件を比較検討できる入札方式をとらなかったことは納得できない、というわけだ。

 また、本来民事再生では主導的役割を果たすのは申立代理人弁護士であって、監督委員は脇役であるにもかかわらず、敢えて“監督委員の主導”という表現を使ったところに、申立代理人への強い不信感も見て取れる。そして、最後は“弊行(りそな)は再生手続が円滑に進行することを望んでおりますが、このまま現支援者(GS)の主導で手続が進行するとすれば透明性、公平性を認めることは困難”とまで言い切っている。

 この強烈な上申書を受け、緑営側も東京地裁に弁明の上申書を提出しており、民事再生申立以前にスポンサーを付けたことについては、緑営グループは「申立以前から賃金の未払いが発生するなど資金的に破綻した状態にあり、申立人(=緑営グループ)単独で再生手続を遂行することが極めて困難な状況であった」ためだったと弁明。また、りそなに事前の相談がなかった点については「本件申立前に訪問し、ご報告しております」としているが、方針を決めてしまってから報告に来ただけで相談がなかったという、りそな側の主張に対して反論はできていない格好だ。

 GSのスポンサー就任の経緯については、8月11日に東京・日比谷公会堂で開催された会員説明会の際にも説明を求める声が相次ぎながら、申立代理人の片山英二弁護士が無視を決め込んだことから、怒った会員の罵声が飛び交う事態が起こっていることは以前にも紹介した。

 上申書を出したりそな銀行は「法的手続きの途上なのでコメントは控えたい」としており、今後の動きについては明言を避けたが、この文面を見る限り、再生法で進めること自体に反対はしないが、スポンサーは改めて入札を実施して決定すべきだと考えていることは明らか。

 8月11日の説明会では決算書の公表を求める声も出て、監督委員の三村藤明弁護士が緑営のホームページ上での公開を提案する場面もあったが、2カ月経過した今も、ホームページ上には民事再生申立時点での説明書類がアップされたまま更新されていない。自己破産した吉崎満雄前社長の経営責任追及に関する説明もなされないままだ。

 今後、会員組織が結成される動きでも出れば、りそな銀行に同調する可能性も出てくる。すべてきれいにお膳立てをした上での申立だったはずの今回の民事再生だが、会員相手に説明責任を省略しようとすれば、結局手続きは長引くことになる。

 11月には民事再生計画案の概要が会員向けに公表されるとの噂もあるが、緑営側が最初にやっておくべきだった破綻原因の説明や旧経営陣の経営責任、そしてGSのスポンサー就任の経緯に関する説明を無視し続ける限り、早期再建は期待できそうもない。

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