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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/5号
2002年更新
高裁で初の預託金据置期間延長容認判決
ただし「5年間、1回限り」が決め手?
 預託金の据置期間延長問題で、初めて高裁レベルで延長を容認する判決が出た。原告の会員はすでに最高裁への上告を断念し結審したため、高裁レベルでの初の延長有効判決として確定。償還問題に今後、大きな影響を及ぼすことは必至のようだ。

 これまで地裁レベルでは、小誌が確認しているだけでも、初の延長有効判決となった永野GCを皮切りにこれまで15件。だが控訴しても高裁で棄却されたり逆転判決が下されたり、判決確定前に和解に応じるなど、これまで延長有効判決が高裁で下されることはなかった。また地裁レベルでは有効判決を勝ち取りながら、償還問題の抜本的解決を狙って民事再生法申請した春日居GC(山梨)のようなケースもある。それだけ据置期間延長に対しては、高裁の壁は厚かった。

 今回、高裁で初の有効判決を勝ち取ったのは、旭川メモリアルCC。平成2年に許認可が下り、平成5年4月に開場。この間、縁故580万円からスタートし、10年の据置期間で820名の会員を集めている。開発許認可から10年が過ぎた平成12年8月、同CCは平成12年12月から5年間の据置期間延長を理事会決議。同時に会員権を3分割、新たに会員以外1名を登録できる、登録会員制度をその代償措置としてスタートさせている。

 同CCが延長に踏み切ったのは、会則11条に「会社の経営を円滑に遂行するため必要のあるとき、またはクラブの運営上会員の利益を著しく阻害するおそれのあるとき、あるいは天変地異、その他やむを得ない事態が発生したときは、預かり保証金返還に関する据置期間満了の日から3カ月以前に会社は理事会の決議を経て、前条1項の据置期間を1回に限り5年間以内の期間延長をすることができる。この場合、会社は会員に対し据置期間延長理由と延長期間を通知しなければならない」とあらかじめ条文に謳ってあったことによる。

 しかし、これに対し会員3名が旭川地裁に提訴。地裁は会社側の主張を認め、延長有効判決を下した。これを不服とした会員は札幌高裁に控訴したが、8月28日、同高裁の山崎健二裁判長はこれを棄却、判決が確定した。これについて同CCの西木俊道支配人は、「我々の主張が裁判所で認められたことは、素直に喜んでいる。だが、こうした厳しい経済環境にあって、また会則もあり毎度延長するというわけにもいかず、預託金問題が抜本的に解決されたものではない」と話す。

 今回、札幌高裁での有効延長判決には、なにより「1回に限り5年間延長」という会則の存在が大きかったことは間違いない。実際、判決では「延長の必要性、期間及び延長可能回数、会則の規定の仕方など本件とはいずれも事案を異にしている」と、他の預託金返還訴訟とは事情が違うことを強調している。そのため、今回の高裁での有効判決がそのまま、他の預託金返還訴訟事件に波及するものではない、との意見が法曹界に多い。

 実際、最高裁への上告を棄却した会員にとっても、「1回限り5年間」なら、最高裁で争っている期間に償還期限が到来するとの事情も手伝っているようである。

 しかし、会員権問題に詳しい西村國彦弁護士は、「裁判官の意識変化の表れではないか」と指摘する。というのも、これまで天変地異や経済変動など具体的な会則を設けるゴルフ場であっても、期間延長後の具体的な償還対応策がなかったり、またあくまでもゴルフ会員権は「会員との個別契約」との建前から個々の会員の同意が必要との理由から、高裁はもとより地裁でも無効判決が圧倒的に多かったためだ。

「今回の判決は具体的な会則に基づくものだが、会員総会の決議や代償措置により延長を制限的に認める判決は、今後地裁はもちろん、高裁でも増えていくのではないか。現在、裁判官の給料に対し、減額の議論が具体化している。これは減額をできないと明記した憲法を改正することなく、解釈によって減額しようというものだ。裁判官の給料すら事情変更できるという潮流の中で、預託金についての事情変更、つまり期間延長が有効との判断は、より現実的なものだし、そこまで裁判官の意識も変わりつつあると信じている」(西村弁護士)

 今回の高裁判決が、償還問題に一石を投じることは必至。ただ、言えるのは据置期間延長による償還対策は、また5年後、10年後、15年後に同じ問題が起こる単なる問題の先送りであり、抜本的解決でないことを忘れてはならないだろう。

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