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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 8/20・27号
2002年更新
今野が新潟OPで2年ぶりに優勝!“ベスト
スウィンガー”が陥ったスランプの原因は?
 先の新潟オープンで、日大時代の1年先輩の宮本勝昌を逆転、2年ぶりの優勝を果たした今野康晴。一昨年は賞金ランク11位に入る活躍も見せたが、昨年はランク93位で3年間守った賞金シードも失った。美しいスウィングの持ち主と定評のあった彼を襲った突然の不振と復活の裏に隠された秘密を聞いてみた。

------優勝を確信したのは?

「18番でグリーンに乗るまでは確信は持てませんでした」

------それほどショットに自信が持てなかったということ?

「優勝争いも2年ぶりだし、去年からここ一番のショットで良い結果が出ていなかったので」

------ショットの自信を失った原因は昨年生じた左肩痛とか。

「もともと僕は調子が悪くなると左に飛ぶタイプで、それをフォローでフェースを返さないように“抜いて”調節していました。ところが、去年の静岡オープンで、肩の痛みが原因かどうかはわからないけれど、その調節が効かず左へ飛ぶのが止まらなくなったんです。そんなことは今までなかったんです」

------コーチに相談しなかった?

「静岡が終わって自分でビデオを撮っても、とくに悪いところは分からない。コーチに見せても、別に悪くないって言うんです。コーチもビデオ上では僕と同じようにしか見れないなら自分の感覚で直していくしかないなと考えたんです」

------それでコーチから離れた?

「それだけじゃないんですけれど、もともと人が考える良いスウィングと、自分自身が考える理想のスウィングにはギャップがあると感じていました。たとえば(ランク11位だった)調子の良かった頃でも、僕自身はテレビに映る自分のスウィングを見るのはすごく嫌で、学生時代から自分で考えながら作ってきた98年頃のスウィングのほうが好きでした。でも、それ以後何人かコーチについて、一昨年頃には良いスウィングだって言われ、僕自身は本当かなという思いがあったけど、でも客観的に見ると良いのかなって思ったりして、半信半疑というか……」

------98年頃の良いスウィングがなぜ変わったのか?

「いろんな人から言われたり、試合に出て疲れてきて楽なスウィングになったんだと思います。やっぱり自分で考える時間は必要だなと思い、去年は自分独りでやってみたんです」

------今後コーチは必要ない?

「いや必要だと思いますよ。今年から何回か江連忠さんに診てもらってますが、江連さんはビデオをあまり使わずに肉眼で観て、スウィングのタイミングなどを重視します。たとえば、バックスウィングでクラブが外に膨らんで、ダウンで下から入るのが僕の最も気になっていたことですが、江連さんはそれを直すためには『もっと体を強く使え』って言うんです。その『強く使う』っていう感覚が凄く自分の感覚と一致するんです。感覚的な表現だから共感できない部分もあるけど、無理に理解する必要もないし、わかることからやっていこうと思って……」

------考え方も変わった?

「去年はセカンド地点に歩きながら、何で曲がったんだろう? って考えてばかりいてゴルフに集中できてなかった。今年は、ラフなら何とかパーは獲れる、林じゃなくてよかったと考えるようになり、曲がっても次のショットのことを考えられるようになったんです。去年の秋に奥さんが試合に来て、ボールが曲がるといつもガッカリしている僕の姿を見て『ボールが曲がってもいいじゃない、そこからパーを獲れば』って言われ、気にしているのは自分だけなのかって思うようになったんです」

------米ツアー参戦は?

「もう少し実力がついてからですね。ショットの調子はまだ50パーセントだし、左肩も治ったわけではないので」

 ショットをより機械的にしようとする傾向の今のツアー界の潮流とは逆に、より感覚的なものの復元を図った今野の復活Vは示唆に富むものである。

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