ゴルフダイジェスト出版案内> BACK9
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/12号
2002年更新
会員権相場が日本一高い、あの小金井CCで
コースとハウス改造の補充会員募集構想
 昭和12年オープンの名門、日本一会員権相場が高いことで知られる小金井カントリー倶楽部(東京都小平市)で、会員募集の計画があることが明らかになった。会員数、募集金額については明らかになっていないが、立地条件のいい東京都内のゴルフ場としてリードしてきた名門だけに、会員権市場にも大きな影響を与えそうだ。

 計画はこの正月、室伏稔理事長が399名の正会員、19名の平日会員(ともに公称)にあてた年頭挨拶文で明かされた。詳細は明らかでないが、ゴルフ場問題に詳しいゴルフジャーナリストの田野辺薫氏によれば、「倶楽部ハウスの拡張、グリーン改造に伴うもので、100人を上限に、20億円を集めたい意向」のようだ。

 これについて、同CCに問い合わせてみたが、「3月27日の会員総会までは、正式に決まったものでもありませんし、何もお話すべき段階ではありません」(支配人)と言うのみだが、計画があることについては否定はしていない。

 会員から情報が漏れたことによる影響もあってか、会員権市場では1月から「小金井CCの買いは、ピタリと止まっている」(都内の老舗会員権業者)

 ともあれ、やはり気になるのは、いくらでの募集になるかという点だ。同CCは株主会員制を採用しているため、会員募集といっても正確には資本の増資。従来会員との兼ね合いから、株式は無額面で、直近の相場に入会金を加えた金額となるのではないか、との見方が一般的だ。

 現在の同CC会員権は、市場では4100万円前後で推移しており、これに入会金1200万円を加えた5300万円前後といったところか。

 倶楽部ハウスについては、歴史と伝統を感じさせるとの評価がある一方、「トタン屋根のため、雨でも降ると隣の人の話し声も聞こえない(笑)」(前出会員権業者)と、老朽化を指摘する声も多く、10年以上も前から改築、新築計画が上がっていたことも事実。

 これに加え、年々負担の大きくなる固定資産税問題もあり、ビジターの受け入れが次第に多くなり、それを少しでも抑えようと、バブル崩壊前の昭和60年には、預託金5000万円で80名を集めようという計画もあった。が、このときは会員の反対により、計画そのものが立ち消えになっている。ちなみに当時の相場は8000万円前後だった。

 また、名門とはいえ、財政的に苦しい状態が続いている。というのも平成11年度、同CCが納税した固定資産税は、実に3億3700万円。これにバブル崩壊の入場者減も加わり、財政難を理由に平成10年には正会員20万円、平日会員10万円、同11年には正会員30万円、平日会員15万円の、分担金を要請したこともあった。

 ビジターのプレ-についても、会員同伴が原則の厳しい倶楽部だったが、最近ではこうした財政難を補うため、「ビジターをどんどん入れるため、一部会員からは“小金井パブリック”とまで呼ばれている」(ある会員)といった声すら聞こえてくる。

「今回の計画はゴルフ場をよくしていこうというためのものであり、おそらく誰も反対しないし、できないだろう。一方で相続しても入会しない者や、株式は持っているが入会できない者など、休眠会員権が約95件にも上るという問題もあり、また将来的に女性や法人をどうするかなどの課題もある。それだけにコースを良くしようという今回の計画を機に、21世紀の小金井のあるべき姿を示すべきだろう」(前出・田野辺氏)

 名門ゆえに、その運営方法が曲がり角に来ていることだけは事実のようだ。

 さて、仮に5500万円前後だとして、この不況下にあって、募集は順調に進むのだろうか?

 ちなみに昨年、やはり名門の程ヶ谷CCが1200万円で30口限定の補充募集を行ったが、こちらは即日でいっぱいになったという。この点について、これまで小金井CCの会員権を最も多く扱ってきた桜ゴルフの佐川八重子社長は、「まだ詳しい話は何も知らない」としながら、「小金井のロケーション、ステータスを考えれば、300名でもすぐにいっぱいになるでしょう」という。

「小金井が元気でないと、日本のゴルフ界そのものが元気になりません。その意味でも、単に補充募集といった消極的なものではなく、新時代の発起人を募るといった内容の募集にすべきではないでしょうか。日本を代表する首都・東京の倶楽部として、国際社会の舞台として、小金井がゴルフ界の未来を築くといった気概あるものであって欲しいと思います」

 いずれにせよ、会員募集をするかどうか、また、その詳細は3月27日の会員総会で決まる予定。単に新規募集をするかどうかだけではなく、日本の名門倶楽部の象徴でもある小金井だけに、その動向に大きな期待がかけられている。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト
ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です