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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/5号
2002年更新
Sヤードでも今春発売の新ドライバーに
43.5インチ仕様揃え“短尺”化に拍車?
 T・ウッズが43インチ台のシャフトを使っていることなどから、ツアー界のみならず、一般ゴルファー向けのクラブも、最近は短くなる傾向が強くなっている。ついには、10年前に45インチを世に送り出し、長尺化の走りとなったSヤードから、43.5インチの“短尺”が発売された。短尺化はこれからのトレンドなのか?

 Sヤードといえば、一般に非力なゴルファーでもストローク重視で振り切れば、大きな飛距離が得られるクラブの代表格というイメージがある。

 ところが、3月下旬に発売される鍛造チタンドライバー「T9」の新シリーズ「T9BL」には、従来通りの45インチの他に、新しく設計された43.5インチのタイプが含まれることになった。この1.5インチ差をどう判断するかはともかく、43.5インチがヘッドスピード増(による飛距離アップ)より、ミート率重視の設計であることは間違いない。ということは、従来のSヤードのイメージを大きく変えるクラブだと思えるのだが……。

「確かにシャフトを短くしたことでヘッドスピードは落ちますが、その分ミート率が上がる設計で、非力な人でも飛ばせるという商品コンセプトは変わっていません」(セイコーエスヤード、ゴルフ用品部・田中氏)

 同氏によれば、高反発係数のヘッドに加え、総重量293グラムの軽さながら、50グラムという軽量で先調子のシャフトを装着することでヘッドを効かした振りが可能となり、45インチに劣らない力強い飛びが得られるという。

「1年以上前、超長尺ブームが落ちついた時点で、振り抜きにくいというユーザーの声の高まりに応え、振り抜きやすく、しかも距離の落ちないドライバーを追求した結果が今回の43.5インチです」(田中氏)。

 用品業界に詳しい片山哲郎氏は「短くなった分、シャープに振り抜きやすくなるという効果は認められます」としながらも、43.5インチというのは、先にヨネックスから発売された44インチドライバー同様、現在主流の45インチ前後のドライバーの範疇であり、さほど革新性を云々するものではないという。

 それゆえ43.5インチを改めて「短尺」という新しい範疇で考える必要性はないのでは? というのだ。

「ただし、43インチ台という数値は、44インチ台とは違い、短さをアピールする革新的なアイキャッチにはなる」とも分析。どうやらシャフトを短くした実際の効果よりも「43インチ台」=「振り抜きやすい短尺クラブ」という心理的効果で、市場に新鮮味をもたらす可能性はありそうだ。

 そのため、このクラブの売行き次第では、各社この「43インチ」台を新しく「短尺クラブ」と謳って参入する可能性は十分ある。セイコー側も、どうやらそうしたトレンドが生まれることを半分期待しているようだ。そのためか、同社は今後の販売戦略について、「Sヤードの看板は、やはり45インチですが、今年はしばらく43.5インチをメインにアピールしていこうと思っています」(前出・田中氏)。

 ところで、43.5インチといえば、現在ではほぼスプーンの長さ。買ったはいいが、スプーンと同じ長さのドライバーって、何か物足りなくない? その判断は各自にお任せします。

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